福島は、始まりの地になる。

傷付き、足掻いている福島は、あくまで前向きにみずからの将来を創造してゆく、そのための始まりの土地になりたいと願う。

 

自然エネルギーとは、風土とテクノロジーの結婚である。それはわれわれにとって、地域社会の自治と自立のための大切な拠り所であり、方法である。

 

われわれは原発事故によって深く傷付いた福島の地に拠るがゆえに、原子力エネルギーという人智が制御しえぬ荒ぶる神の火を捨てようとしている。そうして、風や陽光や水の流れ、大地の熱や森の間伐材などからエネルギーを贈与していただく自然エネルギーへの転換を進めてゆくことを願う。

 

人と自然との境界が引き直されねばならない。

 

福島はいま、自然エネルギーを携えて、始まりの土地になろうとしている。そして、福島が率先して変化を起こすことで、日本各地が変わり、世界が大きく変わってゆくにちがいない。

 

赤坂憲雄(福島県立博物館長)

福島コミュニティパワー宣言」(2014年2月2日)

代表理事 佐藤彌右衛門

あの原発事故から5年、豊かな自然エネルギーに恵まれた日本には原発はいらない、その想いから福島の地で地域主導の自然エネルギー普及に取り組んできました。

福島は、元来、歴史と伝統を重んじ、豊かな自然の恵みを大切にいただき、人と人の温かなきずなを守り暮らす土地です。

いまこそ、こうした福島のこころをもって、エネルギーを自らの手に取り戻し福島の未来への復興を実現する、二度とこの地球上で原発事故の悲劇を繰り返さないために、福島の教訓を全世界に発信することを目指します。

ここに、国内外の多くの志を同じくする皆様と「ふくしま自然エネルギー基金」を立ち上げます。

一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金
代表理事 佐藤彌右衛門
(全国ご当地エネルギー協会代表理事、合資会社大和川酒造店9代目当主)

理事 飯田哲也

福島第一原発事故後の2012年3月、福島県は2040年までに自然エネルギー100%という目標を公式に決定し、混乱と絶望で戸惑っていた福島県民の心に一筋の希望の灯となりました。この基金は、その一筋の光をさらに大きな未来への流れにしようと立ち上がった福島各地の人々の想いと行動が結実したものであり、そうした人々を支援する日本中・世界中の想いを受け止める交差点として生み出されました。

この基金は、今もなお続く原発事故の苦難から目を背けず、しかし「問題を生み出した時と同じ考え方ではその問題を解決できない」(アインシュタイン)との名言のとおり、エネルギー転換に留まらない福島からの未来創りに挑戦してゆくことを約束します。

一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金
理事 飯田哲也
(認定NPO法人環境エネルギー政策研究所 所長)

アドバイザー ウルズラ・スラーデック

私はふくしま自然エネルギー基金にアドバイザーとしてかかわること、日本が原子力のない未来に向けてさらなる大きな一歩を進めることにワクワクしています。これまで基金設立を推し進めてきたすべての方々に感謝します。この基金が福島の人々のための多くの実りあるプロジェクトを支援し、苦難を乗り越える力を結集する受け皿となるよう願います。

原子力の脅威のない世界への取組はまだまだ道半ばです − しかし、私たちが福島やチェルノブイリの大きな犠牲を無駄にしたくないと思うのであれば、私たちは進まなければなりません。さあ、私たち、日本とドイツの市民は共に進みましょう。

みんなで、なによりも福島の人々のため、基金に命を吹き込みましょう。

一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金
アドバイザー ウルズラ・スラーデック
(ドイツ・シェーナウ電力理事)

アドバイザー ソーレン・ハーマンセン

デンマークのサムソエネルギーアカデミーは自然エネルギー100%地域社会の実現を目指しています。世界中の地域社会がこの同じ目標に向かうことが私たちのゴールです。ふくしま自然エネルギー基金はこの志を共有しています。福島、日本、そして世界のコミュニティパワープロジェクトのネットワークが実り多い豊かな発展を遂げることを祈念しています。

一般財団法人ふくしま自然エネルギー基金
アドバイザー ソーレン・ハーマンセン
(デンマーク・サムソエネルギーアカデミー 代表)