傷付き、足掻いている福島は、あくまで前向きにみずからの将来を創造してゆく、そのための始まりの土地になりたいと願う。
自然エネルギーとは、風土とテクノロジーの結婚である。それはわれわれにとって、地域社会の自治と自立のための大切な拠り所であり、方法である。
われわれは原発事故によって深く傷付いた福島の地に拠るがゆえに、原子力エネルギーという人智が制御しえぬ荒ぶる神の火を捨てようとしている。そうして、風や陽光や水の流れ、大地の熱や森の間伐材などからエネルギーを贈与していただく自然エネルギーへの転換を進めてゆくことを願う。
人と自然との境界が引き直されねばならない。
福島はいま、自然エネルギーを携えて、始まりの土地になろうとしている。そして、福島が率先して変化を起こすことで、日本各地が変わり、世界が大きく変わってゆくにちがいない。
赤坂憲雄(福島県立博物館長)
「福島コミュニティパワー宣言」(2014年2月2日)